コロナ禍で将来の不確実性は高まり、既存事業だけに依存できない中、活発な起業活動が社会的に求められる。日本でも2014年ごろから第4次ベンチャーブームが続き、質量ともに活性化してきた。喜ばしいことだ。
しかし残念ながら、元来低い開業率は微増傾向にあるものの、低水準に変わりはない。起業調査機関・英GEMの最新データでも「新規事業の成功可能性が高い」と考える成人の比率は日本で10%にとどまる。調査した50カ国で最下位だ。米国は65%、中国は70%を超える。起業が職業としてよいと考える比率も日本は最下位に近い。
さらには、日本の若者の大企業志向は強まる傾向にある。人材広告会社マイナビによる就職意識調査では、大企業に就職したいと考える大学生の比率は過去7年間で10%ポイント以上増えて20年3月卒では52.7%だった。一方、自分で起業したい学生は0.5%しかいない。変わり者ではなく、主流のエリート学生が起業する事例は増えつつあるが、一部にとどまっている。
一方、大企業も継続的な新規事業創出が必要だ。優秀な人材の大企業志向を考え合わせれば、日本では、大企業が起業の活性化に大きな役割を果たすべきだろう。欧米に追従して、起業の牽引役として独立心の強い個人だけに依存する必要はない。
企業の起業貢献には、社内ベンチャーとCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の2つがある。前者は社内の新規事業で、後者は外部のベンチャー支援を行う。国際的に注目は後者に移っている。経済記事の掲載数を見ると、日本でも社内ベンチャーブームは去り、今はCVCが注目されている。
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