米大統領選挙は、選挙人獲得数が306人対232人となり、バイデン氏の勝利に終わった。選挙の不正を執拗に主張し、決して敗北を認めてこなかったトランプ氏は11月23日、バイデン氏への政権移行業務に合意した。
ただし同時にツイッターで、「われわれは今後も果敢に戦う。勝つと信じている」と宣言。勝算がないにもかかわらず、選挙結果について争う姿勢を崩していない。
政権の引き継ぎを認めたとはいえ、根拠なき「不正選挙」論と法廷闘争を続けるトランプ氏。リアリティー番組のホスト役でスターになった同氏が、敗北という「リアリティー(現実)」を拒み続けている。
11月12日 政治リスク分析を専門とする米コンサルティング会社、ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長はオンラインによる記者会見を開き、世論調査で「選挙が盗まれた」と答えた共和党員が7割に上ることに言及。「問題だ」と、警鐘を鳴らした。
ブレマー氏によれば、こうした混乱は、米国の政治的安定を今まで以上に損ない、民主主義国家としての政治制度の威厳を傷つける。「先進国の中で米国ほど分断されている国はない」と語った。
だが、選挙人団による正式な勝敗確定後、トランプ氏が2024年大統領選への出馬宣言を行う可能性も報じられている(11月12日付ニューヨーク・タイムズ)。
大統領選で負けたとはいえ、共和党にとってトランプ氏は最も重要で、最も影響力のある政治家だ。保守系メディアを始めるという報道もある。新メディアに親トランプ派の著名キャスターを引き抜くような事態になれば、「『トランピズム(トランプ現象)』がはびこる」と、ブレマー氏は危惧する。
トランプ氏は選挙戦の最中の10月、新型コロナに感染しながらも3日で退院。翌週には、今回制したフロリダ州での集会を皮切りに選挙活動を再開。大規模集会を次々と開催し、大衆に呼びかけ、社会への不満を吐き出させるというポピュリスト戦略で支持を訴えた。
この記事は有料会員限定です
残り 628文字
