緊急事態宣言が解除された。第2波の懸念は残るが、とりあえず一歩前進だ。とはいえ、すべて元の生活に戻っていくと考える人はいないだろう。
政府の専門家会議が提言した「新しい生活様式」が定着するかはさておき、好むと好まざるとにかかわらず、新しい生活様式が生まれる。逆にこれまで当たり前だったものの中から、廃れていく「古い生活様式」が出てくるはずだ。
その筆頭候補は、「3密」の代表ともいうべき「夜の街」である。企業の接待の場であり、飲みニケーションの舞台でもあった。日本はバーやキャバレーなど「接待を伴う飲食店」が世界で最も発達している国の1つだ。それには日本人の働き方が関係している。
日本の労働環境は、「男は仕事、女は家庭」という性分業が長く行われてきた。「付き合い残業」という言葉が象徴するように、長時間労働を美徳とする価値観は根強く残っている。平成の30年間、正社員の労働時間は2000時間を超えていてまったく減少していない。
こうしたマッチョな社会を支えるべく、長時間労働で仕事に疲れた男性の息抜きの場として、接待を伴う飲食店が発展した。共働きが当たり前になった現在でも、社会構造は大きくは変わっていない。家庭での夕食という習慣がない年配で社会的地位が高い男性は、料亭や小料理屋を重宝している。
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