米中貿易協議の第1段階合意が2月14日に発効した。だが、これで貿易戦争が休戦入りしたとみるのは間違いだ。トランプ政権は保護主義的な政策を拡大しており、対立は長期化の様相を呈している。日本も打撃を被る公算が大きく、各国が連携しなければ、この横暴は止められない。
例えば、同政権は2月4日に補助金相殺関税の新規定を発表し、通貨安誘導が疑われる国からの輸入品にも制裁関税を発動できるようにした(4月6日施行予定)。今後は米企業に不利となる為替操作だけでなく、政府の口先介入すらも制裁の根拠となりうる。
「このような理屈で中国製品に追加関税を課せば、中国政府の逆鱗に触れるのは必至」。中国国営メディアは即座にこう指弾し、同規定は第1段階合意を「深刻な危機」にさらすとした。米財務省の為替操作国「監視リスト」には中国だけでなく、日本の名前も挙がっている。金融緩和策が人為的な円安につながっている、といった理屈から日本にも制裁関税を加える道が開かれたことになる。
2月には2018年に導入された鉄鋼・アルミニウム追加関税の範囲も拡大され、くぎやケーブル、自動車部品といった加工品が新たに対象に加えられた。皮肉なことにトランプ大統領は、自らが発動した制裁関税の被害から米企業を守るために制裁対象を広げなければならない事態となっている。制裁関税で原材料輸入価格が高騰したせいで米国の加工品メーカーがコスト高となり、海外メーカーに太刀打ちできなくなったためだ。最新の調査によると、トランプ氏の保護主義的な政策は米国内で何千という失業を引き起こしている。議会や産業界からも同氏の通商政策は国益に反するとの声が上がる。ただ、こうした反発はまだ、大した力を持つには至っていない。
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