米カリフォルニア州でホームレス問題が深刻さを増している。同問題にドナルド・トランプ大統領が介入することで、今年の大統領選挙の舞台の1つに仕立て上げられている。
ここ数年のホームレス危機は、大手IT企業の社員増で家賃が高騰し、住み家を追われた人々が路上に出てきたことが主な理由だ。サンフランシスコ市の2019年のホームレス人口は1万人近くと、17年から30%も増えている。ロサンゼルス市も3万6000人と同16%増えた。カリフォルニア州には、全米のホームレス人口の約4分の1がいるとされる。
大統領は昨秋から、ホームレスが路上にキャンプを張る2都市の風景を「不快だ」と非難、「連邦政府が乗り出して解決する」と半ば脅しをかけてきた。だが、大統領の本当の目的はホームレス問題の解決ではない。民主党優勢の同州を「管理能力なし」と貶(けな)し、同州選出の民主党ナンシー・ペロシ下院議長の面目を潰すことだ。
大統領支持派のFOXニュースは大統領の主張を補強するかのように、同州のホームレス問題を取り上げたシリーズを20回近く放映した。全国に放映網を持つ同テレビ局の番組は、全米の目を同州のホームレス問題へと向けさせた。
トランプ政権が示している解決策は、連邦政府が所有する空いた建物をホームレス用シェルターに充てることだとされる。だが、大統領は「ホームレスとやり取りする警官が病気になる」「ホームレスがビルの入り口をふさいで所有者の邪魔をし、街の名声を下げている」などとコメントし、ホームレス側に立つ人権擁護関係者などの神経を逆なでしてきた。
さらに同政権は昨年12月、ホームレス問題を扱う政府機関「ホームレスに関する省庁間協議会(USICH)」の新しいトップに、ロバート・マーバット氏を任命した。同氏は以前、「教会関係者らが、公の場でホームレスに食料を与えるべきではない」と発言して非難されるなど、ホームレスをシェルターに集めて、一般市民から隔離させる考えだとされている。
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