トランプ米大統領ら気候変動の存在を否定する勢力が嗤(わら)うオカシオコルテス米下院議員の「グリーン・ニューディール」。だが、温暖化対策で米国が模範とならねばならないという主張は、まったくそのとおりだ。
大量消費文化の米国では、大量の廃棄物が無駄に生み出されている。にもかかわらず、世界で増加し続ける二酸化炭素が圧倒的にアジアの新興国で生み出されているのは、悲しい現実といえよう。だが、心を痛めたところで問題は解決しない。事態を改善するには正しい仕組みを整え、新興国の温暖化対策を後押しすることだ。
世界銀行は2017年末、ガスを含むすべての化石燃料の開発に対する融資を19年に打ち切ると表明した。これにうろたえた専門家は少なくない。というのも、米国は二酸化炭素を大量排出する石炭から比較的クリーンな天然ガスへと火力発電の転換を進め、温室効果ガス排出を大幅削減した経験があるからだ。現実に取りうる策として、石炭火力のガスへの転換は気候変動対策の柱になるとされている。完璧を期すあまり、次善の策がないがしろになるようではまずい。
本来なら、環境に特化した「世界炭素銀行」が設立されていてもいい頃だ。途上国の温暖化対策を支援する国際組織のことである。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、アジアにおける二酸化炭素の年間排出量は現在、米州の2倍、欧州の3倍になっている。先進国の石炭火力発電所は寿命が近づきつつあるため、漸次廃炉していくのも難しくはない。しかし、アジアでは毎週1カ所のペースで石炭火力発電所が新設されている。
電源の石炭依存度は、中国とインドでは6割を超す。両国とも太陽光や風力など再生可能エネルギーに巨額投資を続けているが、石炭依存を断ち切るには電力需要の伸びがあまりに速すぎる。
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