自民党が講談社のファッション誌『ViVi』に出した記事広告をめぐって、賛否両論が巻き起こっている。
自民党に対する批判のポイントは2つだ。1つは、自民党が政策ではなく、イメージで有権者の支持を得ようとしていること。もう1つは、そのイメージが実際の党の政策とは異なるとみられていることだ。本稿では前者について、マーケティングの視点から分析したい。
ビジネスにおけるマーケティングと政治におけるマーケティングは、構造的には同じである。そう主張するのは、マーケティングの父といわれるフィリップ・コトラーだ。「Overview of Political Candidate Marketing」と題された1975年の論文で詳しく述べている。「約束やお願い」を「投票」と交換するのが選挙のプロセスである。それは「商品やサービス」を「お金」と交換する買い物のプロセスと同じだと。
「選挙におけるマーケティング」という言葉がこの時代からあるように、政治にマーケティングが活用されるのは特別なことではない。マーケティングとは価値の交換である、というのが全米マーケティング協会の定義するところだ。政治や宗教、慈善活動もその範疇に入る。
広告はイメージの創造
価値の交換プロセスにおいて、どんな価値を提供するか。それが商品の企画や政策である。そして、それをどう伝えるのかがマーケティングコミュニケーションだ。消費者はどんな情報を拠り所にするのか。それに応じて伝える場所や伝え方を設計していく。政治でもその構造は一緒であろう。
政党は選挙活動で、テレビCMや新聞広告を使ってきたが、15秒の映像で政策の詳細を伝えようと思っているわけではない。その目的は「認知」「想起」「好意度」をつくることではないか。
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