島根県松江市は同県の北東端に位置し、かつ鳥取県との境目にある人口約20.6万人の県庁所在地である。市域の東側にある中海と、西側にある宍道(しんじ)湖という2つの汽水湖をつなぐ大橋川によって、南北に分断されている。全国でも珍しい形状の市である。
大橋川の北を「橋北」、南を「橋南」と呼び、両地域は西から順に「宍道湖大橋」「松江大橋」「松江新大橋」「くにびき大橋」の4つの橋で結ばれている。松江が「水の都」と称されるゆえんである。
街には大橋川だけでなく剣先川、朝酌川、京橋川なども流れる。橋北エリアを流れる京橋川は松江城につながる。松江城は1600年の関ヶ原の合戦で功績を挙げた戦国武将の堀尾吉晴と、その子の忠氏が築城し、1611年に竣工した。天守閣は国宝に指定され、城の濠(ほり)を船で巡る「堀川めぐり」は、松江観光の代名詞である。
この街を訪れた際は、濠の縁に沿って散歩することを勧めたい。濠に沿って情緒ある街並みが続き、武家屋敷のたたずまいのほか、明治期のギリシャ出身の日本研究家、小泉八雲の記念館を楽しむことができる。小腹がすいたら沿道の店で出雲そばを食するのもよい。
汽水湖である宍道湖のシジミは全国的にも有名であり、日本海に面しているため海の幸は極めて豊富である。スズキやタイ、ブリなどが豊富に水揚げされ、とくにたいめしは名物となっている。
松江は山陰地方の経済の中心地だが、山陽地方の都市と比べると経済規模は小さく、目ぼしい産業も少ない。歴史的にもさほど大きな事件や騒動が発生してこなかったためか、街の住人たちにはどこかのんびりとした気質を感じる。
押し寄せる高齢化の波、観光の面でも課題
しかし松江市は今、高齢化の波にのみ込まれている。大橋川と京橋川に挟まれた東本町や大橋川南岸の伊勢宮町などの繁華街にはシャッターを閉めた店が目につき、往時のにぎわいを失いつつある。
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