有料会員登録
ライフ #人が集まる街 逃げる街

東京五輪で生まれ変わる人工島 晴海[東京都中央区]

3分で読める 有料会員限定
  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

晴海は明治中期から昭和初期にかけて東京湾に埋め立てられた人工島だ。東京都中央区とその南東部にある江東区との区境に位置する。埋め立て後、太平洋戦争が始まる前年の1940年に「紀元2600年記念日本万国博覧会」の会場として整備されたが、世界情勢の悪化を理由に博覧会は中止された。

戦後は晴海1丁目に東京国際見本市会場が建設され、「東京モーターショー」などさまざまな見本市が開催された。筆者は中央区の明石町で育ったが、晴海で大きな催しがあったときのことを鮮明に記憶している。晴海通りにある勝鬨(かちどき)橋を渡る都営バスが会場に向かう大勢の客で満杯になり、詰め切れない乗客が皆歩いて橋を行き来する姿が日常の光景だった。

東京国際見本市会場は通称「貿易センター」と呼ばれ、夏は屋外プール、冬はドーム館内がアイススケートリンクになった。この場所には晴海団地という大型の団地もあった。当時の日本住宅公団(現UR都市機構)が1950年代後半に開発を進めた高層団地だ。

当時の最新鋭の団地ということで人気は高く、都心に通うサラリーマン家族の憧れの住まいだった。小学生の頃はこの団地に住む友達と誘い合わせて、プールやアイススケートリンクによく遊びに出かけたものだ。

時は流れ、見本市会場は東京の有明に移り、晴海団地も老朽化が激しくなって取り壊され、住友商事などが中心となって再開発が行われた。そして2001年4月、「晴海アイランドトリトンスクエア」というオフィス・商業施設・住宅などの複合施設となった。

20年に開催される東京五輪では晴海5丁目に選手村が整備される。五輪終了後、選手村で活用されていた建物は改装され、一大住宅街「HARUMI FLAG」として生まれ変わる予定だ。選手村の建物に新築マンションを加えた総戸数は5632戸、計画人口は1万2000人に上る。そのうち賃貸住宅を除く4145戸が分譲対象となる。入居予定は23年3月以降だが、今年7月に早くも販売が開始される。すでにゴールデンウィーク期間にモデルルームがオープン。販売予定価格が坪当たり300万円前後の想定と、周辺相場と比較してやや安めとなりそうなことも話題を呼び、大勢の見学客でにぎわったという。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数