企業の担当者はブランドの細かな違いについて敏感だが、多くの見込み客はブランドそのものに大きな差があるとは考えない。そのため、ブランドの価値を高めても、ほかのブランドへの切り替えは発生する。
であれば、切り替え発生に関し割り切って、そのタイミングを狙い、つねに新しい利用者を獲得し続けることで、ブランドを成長させたほうが得策だ。差別化で独自の価値を磨き、その価値を支持する熱心な利用者を増やすことは、必ずしもブランドを成長させるとは限らない。それがアレンバーグ・バス研究所の主張するマーケティング新理論の教えるところだ。
それではその主張は、具体的なマーケティング計画にどのような形で表れるのか。マーケティングの日本語訳は「商売」だともよくいわれる。要は何かを売ること、買ってもらうことだ。
そう考えて、やるべきことを簡潔に表現すると、1.気づいてもらう、2.覚えてもらう、3.好きになってもらう、4.深く知ってもらう、5.買ってもらう、これらの5つだ。
それぞれの段階で何をすべきか? そしてどのように実現するか? それを考えていくのがマーケティング計画である。
理解より覚えてもらう
1番目の段階である「気づいてもらう」から考え始めるには、まず「誰に」気づいてもらうのかを決めなくてはならない。市場を定義するのだ。シンプルにいえば、誰が競争相手なのかを考えればいい。例えば、フィリピン人を講師としたオンライン英会話教室を運営している会社があったとする。その競争相手は誰なのか。似た価格帯のオンライン英会話サービスだけなのか。米国人講師を擁する、少し料金が高いオンライン英会話教室、さらには全国に教室を展開する英会話スクールも含めて、競争相手と考えるのか。
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