ブランディング、ポジショニング、CRM(顧客情報管理)などのマーケティングの考え方は、実務の現場でどのように理解され、どのように活用・機能しているのだろうか。何が神話であり、何が科学なのか。現実を踏まえた実務の「着地点」はどこかを順に検証していきたい。
ブランド論は多くの人が関心を持つトピックだ。例えば筆者がマーケティングの専門誌に寄稿した記事の場合には、ブランドについて論じたものは、ウェブに転載されると、さらにニュースサイトにも取り上げられ、マーケター以外の一般読者からも反響がある。
われわれは消費者としてブランドに囲まれて生活している。「スターバックス」でコーヒーを飲み、アップルのスマートフォン「iPhone」でニュースを見る。今皆さんがお読みの『週刊東洋経済』もメディアブランドの1つだ。
なぜわれわれはブランドに魅了されるのか。その魅力の源泉は何なのか。そして、どうしたら自社のブランドを強化できるのか。
ブランドを解明する
アップルや、その祖であるスティーブ・ジョブズを思い出してほしい。彼が亡くなった日、アップル本社に虹がかかったのを見た、という現象がSNSで話題になった。これはアップルファンが彼の存在を神格化していることを示している。アップルブランドは、現代において神にも近い存在かもしれない。
また、ブランド論の大家デイヴィッド・アーカーが経営する経営コンサルティング会社名はProphetという。この意味は預言者、つまり神の言葉を「預かる」者だ。1980年代に「ブランドは資産である」という考えを打ち立てて以来、ブランド論をリードする大御所の一人であるアーカーが、自ら神秘的で非合理的な預言者を名乗っていることは興味深い。
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