フロリダ州で起きた銃乱射事件の容疑者が所持していたiPhoneのロック解除をめぐる騒動で、注目を集めたのが愛知県江南市のサン電子だ。子会社のイスラエルのセレブライト社(セ社)が、「ロック解除に協力したのでは」との憶測を呼び、サン電子の株価は一時ストップ高となった。
「あの権べと田吾が、iPhoneのロック解除に成功した!?」。一連の報道後、ネット上ではこんなコメントが拡散。「権べ」「田吾」とは同社が1985年に発売したアクションゲーム『いっき』の主人公の名前。農民が鎌や竹やりで戦う異色の世界観が話題を集め、“元祖クソゲー”として今もなおファンが多いレトロゲームだ。同社がなぜ世界最先端の犯罪捜査機器を開発するメーカーに変貌したのか。
2000年代半ば、創業者の前田昌美氏は、世界企業への飛躍には海外企業の買収が必要と判断。山口正則現社長とともに頻繁に渡米し、浮上してきたのがセ社だった。07年に子会社化したセ社は当時の売上高が10億円程度だったが、15年12月期には120億円超へと急成長。「市場が急拡大するジャストタイミングの買収だった」と山口社長は話す。
この記事は有料会員限定です
残り 224文字
