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高金利の新興国通貨には慎重なスタンスが肝要 金融緩和期待ふくらみ年初来の株高・債券高に

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  • 門田 真一郎 バークレイズ銀行東京支店 為替ストラテジスト

9月のグローバルの金融市場では9日以降、世界的な株式市場の調整が見られた。それだけではなく、主要国の債券市場でも調整の動きが目立っており、米10年債利回りは月初の1.5%台半ばから一時1.7%台半ばまで急上昇している。典型的なリスク回避(株安・債券高)ではなく、株安・債券安が同時に進行した形だ。背景には何があったのだろうか。

そもそも、世界的な株高・債券高の流れは今年2月ごろに始まった。世界株式市場、および主要国国債市場の動きを見ると、いずれも2月ごろから上昇に転じた後、6月下旬の英EU(欧州連合)離脱(ブレグジット)投票以降、一時的な株価の調整の後、一段と騰勢を強めた(図表1)。

[図表1]
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こうした動きは、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に対する見方の改善ではなく、金融政策期待によるところが大きかった。実際、市場の経済成長率見通しは、先進国、新興国を問わず、年初から下方修正が続いている。

一方、海外市場の混乱や米国経済の減速懸念などを受けて、昨年12月に利上げを開始したFRB(米国連邦準備制度理事会)がしばらくは次回利上げを見送るとの見方が強まった。市場が織り込む2016年末の政策金利水準は年初の約0.90%から約0.50%まで低下。FRB利上げ観測の後退が、原油をはじめとする商品相場の底入れとも相まって、資源国通貨や新興国株式市場を押し上げる形でリスク選好相場を演出してきた。新興国通貨では、13年以降は下落が顕著だった高金利通貨も底入れし、年初来では低金利通貨を上回る運用成績を収めてきた。

ブレグジット投票以降は、イングランド銀行が追加緩和に踏み切るのはもちろんのこと、主要中銀の追加緩和期待が高まった。世界的には経済見通しの悪化や不確実性の高まりにもかかわらず、緩和政策期待から株高・債券高が演出される金融相場の様相となっていたといえよう。

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