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今後は1ドル=90円台定着にこれだけの根拠 来年に向けいよいよ円安相場は"清算"局面に

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  • 佐々木 融 ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト

日本銀行は9月21日、これまでの金融緩和政策の下での経済・物価動向と政策効果について「総括的検証」を行い、これらを踏まえ、物価上昇率2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、政策枠組みの強化策を二つ発表した。

一つは、インフレ率に関する「オーバーシュート型コミットメント」だ。これは、従来の「2%の物価安定の目標を安定的に持続するため必要な時点まで現状の金融緩和政策を続ける」というメッセージから、「物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」というメッセージへの変更だ。

もう一つの政策枠組み強化策として日銀は、「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」を導入した。内容は、短期金利については日銀当座預金のうち政策金利残高に課す金利をマイナス0.1%で維持する一方、10年物国債金利はおおむね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買い入れを行うというものだ。

日銀は明らかに、金融政策の中心を量的緩和から金利に移したようだ。仮に長短金利に強い低下圧力がかかるとすれば、金利を下支えするために日銀は国債を売却しなければならず、年間80兆円のペースで保有残高を増やすというこれまでの方針を維持できない。実際、保有国債残高の年間増加額については、「現状程度の買入れペースをめどとしつつ」と、あいまいな表現に換えている。また、黒田東彦総裁は「短期的にマネタリーベースの増加とインフレ期待、物価上昇期待といったものが密接にリンクしているわけでもありません」とも述べている。

市場との対話を重視

日銀は黒田総裁の下、これまで主に量的緩和における量を「2倍」「3倍」として市場を驚かせてきた。そして、量で驚かせるのが限界になると、今度はマイナス金利を導入して市場を驚かせたが、これは裏目に出てしまい批判を浴びた。そこで、これからは市場を驚かすような劇場型金融政策はやめて、市場との対話を重視することにしたようだ。今回も新たな政策の枠組みは示したものの、黒田総裁や中曽宏副総裁の事前の講演からある程度メッセージが伝わっていたため、市場に大きな混乱はなかった。

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