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1ドル=100円割れが再び視野に入ってきた 黒田日銀の追加緩和はあまり期待できない

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  • 村田 雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト、CFA

9月21日には日本銀行の金融政策決定会合、翌22日には米国連邦公開市場委員会(FOMC)の結果がそれぞれ発表されたが、ドル円はその後も1ドル=100〜103円の狭いレンジを維持している。しかしドル円は日銀の追加緩和期待の後退などで、次第に上値の重い展開になると予想される。

日銀は9月の会合で、金融市場調整の操作目標を従来のマネタリーベースから長短金利に変更した。それを実現する手段として、日銀・黒田東彦総裁は長期国債の買い入れを使っていくと公言したが、年間80兆円という長期国債の買い入れペースに対するコミットメントを放棄。今後は買い入れ額が上下することを認めた。追加緩和手段として国債買い入れ額が積極的に引き上げられることは、もはやなくなったと見てよい。

黒田総裁は、今後の追加緩和の手段として短期政策金利の引き下げと長期金利操作目標の引き下げが中心になる意向を示したが、預金金利をマイナスにすることが政治的に容認されない状況では、短期政策金利のマイナス幅を広げることは、金融機関の収益悪化に直結するだけに考えにくい。そうした中で長期金利の目標水準を引き下げてしまっては、会合声明と同時に発表された総括的検証でデメリットとして指摘された長短金利差の縮小(利回り曲線〈イールドカーブ〉の平坦化)に再び直面する。つまり日銀は、利回り曲線を現在の形状に維持することはできても、形状を主導的に変えることはできないことになる。

日銀は追加緩和として、ETF(上場投資信託)の買い入れ額を増やす可能性はあるが、これは新たな操作目標とは無関係である。日銀が今後、金融緩和姿勢を市場に強調したいのであれば、操作目標を長短金利から別の何かに再び変更する必要があるが、それでは日銀の迷走ぶりのほうが目立つ。日銀が何らかのアクションを取り円売り期待が高まる展開は、期待できない。

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