8月末にジャクソンホールで行われた経済シンポジウムで、FRB(米国連邦準備制度理事会)のイエレン議長は「利上げへ向けた状況が整ってきた」と発言。フィッシャー副議長も利上げに前向きな姿勢を示し、9月の利上げ観測が高まっていた。ところが、足元では「9月は見送り」という見方が強い。
まず、9月2日に発表された8月の雇用統計がよくなかった。非農業部門の雇用者数は市場予想の18万人増を割り込み、15.1万人増にとどまった。これまでFRBが目指す完全雇用状況にほぼ近いとみられていたが、6月は27.1万人増(修正後)、7月は27.5万人増(同)と高水準だったことを考えると鈍化の色が鮮明だ。8月の時間当たり賃金も前月比プラス0.1%、前年同月比プラス2.4%と、いずれも市場予想を下回る伸びにとどまった。
さらに、8月のISM製造業景況感指数も49.4と、景気拡大・縮小の境目とされる50を割り込んだ。設備投資も弱く、建設、機械関連とも低迷が続いている。ISM非製造業景況感指数も51.4と2カ月連続で低下、6年ぶりの低水準となった。
大きな重荷となっているのが実効ベースでのドルの高止まり(図表1)。ドル高は米国企業の収益を圧迫する。昨年末の利上げを挟んだ急騰から現在はやや下がっており、再びドル高が進むことは企業関連指標のさらなる悪化を招くおそれがある。利上げの必要性を正当化しにくい状況だ。
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