11月13日のパリでの同時多発テロは、欧州を混乱状態に陥れた。イラクやシリアからの難民受け入れの是非をめぐって大論争が起きている最中に発生したからである。
発端は、EUきっての実力者であるドイツのメルケル首相が9月4日に「すべての難民を受け入れる」と表明したことだった。この方針に対し、難民受け入れに積極的なドイツでも、さすがに多くの国民が反発し、反対運動が起きた。もちろん一方には、主として道義的な観点から、首相を支持する人々もいる。
ドイツに代表されるような欧州世論が二分されている状況でテロは起きた。
受け入れ反対派は「それみたことか。難民の受け入れはテロリストが難民に紛れて入国する危険性を高めることになる」と気勢を上げ、難民受け入れ制限に向かって動きを強めている。
ドイツ公共放送連盟の調査によると、メルケル首相の支持率は4月の75%から11月5日の段階では49%へと急落している。パリの同時多発テロ以降、さらに落ち込んでいるのではないかと思われる。メルケル首相は大変な苦境に立たされているのである。
定着なら日本にもプラス
ひるがえって、わが日本はどうか。
日本はユーラシア大陸の端に位置し、言葉、文字も独特であるため、今難民が発生している地域の人々にはハードルが高い国だ。そのうえ難民認定審査が厳しい。
11月4日のウォールストリート・ジャーナルは、「昨年日本は5000件以上の難民申請に対し、承認したのは11件だった。ドイツは3万3000人以上の難民を受け入れ、米国は2万1000人超、英国でも1万人以上を受け入れた」と書いている。韓国よりも少ないそうだ。認定率をはじくと0.22%以下である。
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