日本の人口に関する社会問題は何かと問えば、「少子高齢化」と答える人がほとんどであろう。少子高齢化は、人口の長寿化(人々が長生きする)という側面と、少子化(生まれる子どもが少ない)という両方の側面を持っているが、このどちらもが、ここ30年間において大きく進展していることは確かである。
しかし、この人口動態の背後には、もう一つ大きな変化がある。子育て期の高齢化と長期化である。順に説明しよう。
まず、子育て期の高齢化である。晩婚化によって、人々が子どもを持つ年齢は年々高くなっている。母親の平均初産年齢は、1990年には27歳であったが、2011年以降は30歳を超えている。
これは、たった3歳の違いと思われるかもしれない。しかし、子どもの経済的基盤という観点から、より重要なのは、父親の年齢の分布である。母親の出産年齢の上昇と同時に、父親の年齢も年々上昇しているのである。
93年に生まれた子どものうち、約4割(39%)は、出生時の父親の年齢が30歳未満であった。しかし、20年後の13年生まれの子どもでは、その割合は28%になっており、約10ポイント低下している。
懸念されるのは、高齢の父親が増えていることである。93年生まれの子どもを見ると、出生時に父親が35歳以上の子どもは全体の25%だったが、13年生まれの子どもになると、その割合は39%に上昇している。父親が40歳以上の子どもも、7%から13%に増えた。
子どもが生まれたときに40歳の父親は、子どもが成人するときには60歳である。多くの男性にとっては、引退期を間近に控え、所得が減ってきたり、場合によっては退職したりしていく年代となる。しかし、子どもが大学などに進学していたりすれば、まだまだ子どもを扶養家族として養い、そのうえ教育費までも負担しなくてはならない。
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