人手不足傾向の下、若年雇用の状況が表面的には改善するに伴い、40〜50歳代の中年層の雇用問題がクローズアップされるようになってきた。もちろん、これまでも「管理職のストレス」「リストラ」「長時間労働」といった視点から中年層の働き方が取り上げられてきたが、今の関心は少し異なる。それは、以前は「一家の大黒柱」とされてきた中年男性の経済的状況が揺らぎつつあるという深刻な問題だ。
まず、中年男性で職探しをしていない無職の人(非労働力人口)の割合が徐々に増えつつある。政府統計によると、当該世代の男性人口に占める非労働力人口の比率は2015年に約5%となり、40代に限れば過去最高となった。人数も83万人と少なくない。「働いていて当然」という中年男性像は変わってきている。
もちろん、中年男性が無職だからといって問題を抱えているとは限らないが、データを見るかぎり、生活上のリスクに直面している人が多いように思われる。彼らの中には独身で親と同居している人が少なくなく、家計収入を全面的に親の年金に依存しているケースもある。その場合、近い将来、親の死亡によって一気に困窮することが懸念される。長期的には、生活保護対象者数を押し上げる要因となりうる。
働いている人についても変化が見られる。一つには、パートや派遣といった非正社員の仕事が男性中年層でも着実に増えている。たとえば15年の45〜54歳の男性雇用者全体に占める非正社員の割合は9%で、14年に次ぐ高い水準だった。内訳も、パート・アルバイトの比率が高くなってきている。非正社員の中でもパート・アルバイトの収入は低い傾向があるので、中年男性雇用者の低所得層が増加していると考えられる。こうした人々は、病気などをきっかけに生活困難に陥るリスクが高い。
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