日本経済低迷の報道は多いが、図1のように1人当たり実質GDP(国内総生産)成長率で見ると風景は一変する。日本はリーマンショック後、大きな景気変動がなければ1%台後半の1人当たり成長率を確保し、欧米先進国と比べ遜色はない。つまり、日本の全体の成長率が他国より低いのは生産性不振ではなく人口減少のためだ。
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1人当たりの成長率(生産性向上)が先進国間で似通うのは当然だ。先進国の技術を模倣すれば高成長できたキャッチアップ型経済とは違い、技術水準はすでに世界最先端に到達している。
先進国は技術革新の地平線を自力で切り開くしかなく、大幅な生産性向上は一朝一夕では成らない。そのため、ドングリの背比べになる。
安倍晋三政権は名目3%、実質2%というGDP成長率目標を掲げているが、逆算すると1人当たり成長率は4%強に近くなる。日本だけが頭一つ抜け出す生産性向上を達成できるのか、根拠に乏しい。日本銀行の過剰な金融政策も、その効果は疑わしい。
今年に入り、安倍首相は「同一労働同一賃金」の実現を叫び始めた。同じ仕事には同じ賃金が支払われるようにすることで正社員と非正規社員の賃金格差是正を目指すものだ。図2のように日本では、多くが正社員と考えられる所得上位10%(年収575万円以上、2010年)の階層の所得シェアが増加する一方、それより下の階層の所得シェアは減少傾向にある。そして、それは非正規雇用比率の上昇と軌を一にしている。
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