筆者が属する「団塊の世代」は、これまでも各年代を通過するたびに経済・社会に大きな影響を及ぼしてきたのだが、そのプロセスはまだ終わっていない。
団塊の世代は2025年前後に一斉に後期高齢者(75歳以上)となる。この後期高齢者の急増は、経済・社会全体に難しい問題を強いることになる。これがいわゆる「2025年問題」である。具体的に見てみよう。
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計(出生・死亡中位、以下同じ)によると、後期高齢者の数は15年の1646万人から、25年には2179万人へと増加する。それを誰が支えるかについては、20〜64歳層を「担い手層」だとすると、この担い手層は15年の7089万人から、25年には6559万人へと7.5%減ってしまう。
担われる層の数を担い手の数で割った数字を「担い手比率」と呼ぼう。これが上がるほど、担い手の負担は重くなる。この比率は、15年の23.2%が、25年には33.2%となる。
こうして現れてくる2025年問題の具体的な姿としては次のようなことが考えられる。第一に、後期高齢者の絶対数の増加は医療・介護需要を激増させるだろう。そのために多くの人的資源を割かなければならないが、一方で担い手層の人口は減少しているから、人手の確保は格段に厳しくなる。
第二に、社会保障・財政問題も深刻化する。社会保障分野は、現在でもすでに最大の財政赤字拡大要因となっており、社会保険料の上昇を通じて勤労者層の負担も高まっている。後期高齢者数の増大で社会保障給付はさらに増える一方、勤労者層から税・保険料負担を引き出すことは難しくなってくるだろう。
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