CEO(最高経営責任者)に就いた2019年当時、自分がいつ退くかは決めていなかった。ただし後継者にバトンを渡すのは、事業の取捨選択を終え医療に経営資源を集中する体制を整えたときだと考えていた。就任当初から指名委員会と共に、将来を見据えた準備を進めた。
経営改革を進めるうえで右腕となってくれたのがドイツ人のシュテファン・カウフマン氏だ。指名委員会が次期CEOに彼を選出したとき、私は迷いなく「正しい判断だ」と思った。ところがカウフマン氏は在任1年半の24年、違法薬物の購入をめぐる問題が発覚し辞任する。
私は暫定的にCEOに戻った。次の後継者を選ぶ際に意識したのは、カウフマン氏を選んだときと状況が違うことだった。オリンパスはカメラや顕微鏡といった事業を売却し、内視鏡を中心とする医療専業へと変わっていた。
「今の会社では、どんな人が必要か」
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