中国ファクターが世界の市場を動揺させている。最大の要因は、中国の実体経済が予想を上回るピッチで減速していることだ。マークイットの製造業PMI(8月・購買担当者景況指数・旧HSBC)は47.1と、2009年3月の44.8以来の落ち込みだ。
09年3月といえば、リーマンショックの影響で、世界の株価が大きく落ち込んでいたときだ。ダウ工業株30種平均は、09年3月安値6469ドルまで売り込まれ、日経平均株価も同7021円まで急落していた。その当時以来の製造業PMIの低さといえば、中国を取り巻く環境がいかに厳しいかが理解できよう。
中国政府・当局の発表では、4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年比プラス7.0%とのことだが、世界の投資家は誰も信じていない。かつて李克強首相は、07年に遼寧省で党委員会書記を務めていたときに、「GDPは人為的に操作されており、信頼できない」と語っている。
上海総合指数は、急落後に当局が懸命の買い支えを行い、何とか破局を回避している。しかし、すでに買い支えの投入金額が3兆~5兆元に達しているとの観測もあり、こんな異常な介入を続けることは不可能だ。長期的には、株価がファンダメンタルズに収斂するのは避けられない。
中国は、この株式バブルの崩壊に先んじて、13~14年に不動産バブルの醸成と崩壊を経験している。政府・当局は、内需型経済への構造転換を志向して大規模なインフラ投資計画を掲げ、地方政府も第三セクターを設立して不動産投資に狂奔した。中国人民銀行の金融緩和策と不動産の規制緩和も加わって、膨大な余剰マネーは不動産バブルを醸成した。そして、あまりに急騰すると、今度は、政府は手のひらを返したように不動産規制の強化、関連税率の引き上げを実施し、バブルは崩壊した。
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