昨年末の時点では、今年もさらに円安が進むと予想していた人が多かった。筆者も年末に向けて1ドル=128円程度までの円安進行を予想していた。しかし、今年も5カ月が経過しているが、ドルの対円相場の最高値はようやく124円台まで来たところだ。
今年に入ってからの各通貨のパフォーマンスを見ると、主要10通貨の中で円はスイスフラン、米ドル、英ポンドに次いで4番目に強い通貨となっている。つまり、円が当初予想されていたほど弱くなっていないことが、ドル円相場があまり円安に進まず、安定していることの背景にある。
円がやや強い通貨となっている背景はいくつか考えられるが、日本の経常黒字が急増し始めていることもその一つである。日本の今年3月の経常黒字額は2兆7953億円と、2014年通年の経常黒字額2兆6458億円を単月で上回ってしまった。単月の黒字額としては08年3月以来の大きさである。
今年3月の経常黒字の中身を前年同月と比較すると、貿易収支は6714億円の黒字となり、1兆円以上の大幅な赤字だった前年同月と比べ1兆8484億円も改善している。輸出が前年同月比9.8%増加した一方、輸入は同15.8%の大幅な減少となった。
サービス収支は1678億円の黒字で、前年同月比2233億円改善した。サービス収支が黒字となるのは統計の遡及が可能な1985年度以来初めて。来日観光客の増加で旅行収支が改善している。
また、第一次所得収支は2兆3265億円と、前年同月比5435億円増加し、単月の黒字幅としては過去最大となった。内訳を見ると、本邦企業の海外収益を国内へ送金しているものとみられる「配当金・配分済み支店収益」が2022億円増加したほか、証券投資収益のうち「債券利子」も1766億円増加した。
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