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2016年は円買い超過へ 対外証券投資は失速

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

2015年の国際収支統計によれば、経常黒字は16兆6413億円と5年ぶりの黒字幅を記録した。ただ収支改善の背景は必ずしも明るい材料ではない。黒字拡大の大半は輸入減少に由来し、原油安の恩恵に尽きる。

もちろん、長年の対外投資の成果に円安の価格効果が加わり第1次所得収支黒字が急増したことや、訪日外国人客の増加でサービス収支赤字がまとまった幅で縮小したことも原因ではある。

だが輸入に目をやると、前年比で8兆6825億円縮小しており、これが経常黒字を押し上げた感は否めない。今年に入ってからの原油価格下落が今後数カ月にわたって輸入金額に反映されてくるとすれば、当面は貿易収支改善を背景に経常黒字の拡大を見込むのが妥当だろう。

こうした結果を踏まえ、筆者が円相場予想の指針としている基礎的需給バランス(以下、基礎的需給)を見ると、15年通年ではマイナス12兆円の円売り超過というイメージになる(図1)。円売り超過幅としては08年以来の大きさで、これが過去最長となった「4年連続の円安」の一因になったと推測される。

[図1]
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15年は経常黒字が急拡大したが、基礎的需給全体を見た場合、これを相殺して余りあるだけの対外証券投資が円売り超過の需給環境を作り出したことがわかる。

具体的な数字を確認すると、基礎的需給算出に使用する再投資収益を除くベースの経常黒字は、前年の4177億円から13.1兆円へと12.7兆円拡大した。一方で対外証券投資は、マイナス14兆円からマイナス30兆円へとマイナス16兆円増大した。

雑ぱくにいえば「稼いだ経常黒字以上に対外証券投資を行った」構図だ。ここにクロスボーダーM&A(企業の合併・買収)のフローを含む直接投資がマイナス16兆円と現行統計開始以来で最大となったこともあって、大幅な円売り超過で着地した。旺盛な対外証券投資が加速することによって、円売り超過の状況が保たれたのが15年だったといえるだろう。

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