6月23日(現地時間)に実施されたEU(欧州連合)離脱の是非を問う英国民投票では、市場の期待に反し離脱派の勝利となった。為替市場では、開票結果の大勢が判明した日本時間24日午前11時過ぎから英ポンドが大きく売られる一方で、円には買いが殺到。ドル円は一時99円ちょうど近辺と、2013年11月以来、2年7カ月ぶりの円高水準を記録した。
しかしドル円は、99円ちょうどをつけた数分後に101円台に急反発。昼過ぎに100円ちょうどまで円買いの動きが強まったが、ロンドン市場に入ると円買いの動きは一服。週明けの27日以降は101円台半ば近辺を下回ることなく下値の堅い動きを続けている。市場関係者の一部からは、ドル円が95円や90円をつけるといった見方も示されていたが、今のところ現実のものとなっていない。
「英国民がEU離脱を選択することはないだろう」との思いが裏切られたこともあり、先行き不透明感の強まりを理由に「ドル円が大きく下落する」と市場関係者が言いたくなる気持ちは理解できなくもない。英国がEUから離脱すれば、英国景気は大きく悪化し、他のEU加盟国でも離脱の動きが広がり、金融市場は混乱する。この結果、円の買い戻しが続くという連想は、一見正しいように思える。
しかし実際の社会・経済は、市場関係者が考えるほど早く動くわけではなく、市場関係者の連想どおりになるわけでもない。離脱を選択したはずの英国民からは国民投票のやり直しを求める声が強まり、離脱派を主導したジョンソン・前ロンドン市長がキャメロン首相の後任レースから撤退したように、英国は離脱に向けて動くどころか離脱申請すら始められないでいる。
離脱派勝利をリーマンショックになぞらえる見方も広がったが、米住宅価格の下落、金融システム不安を背景に世界の実体経済が大幅に悪化したリーマンショックと同一視するのは無理がある。
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