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ドルは低調な動きが続く 遠のく米国の利上げ見通し

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  • 門田 真一郎 バークレイズ銀行東京支店 為替ストラテジスト

年初からドル円相場の急落が続いている。要因として重要だと考えられるのは、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げ観測の後退によるドル安だ。FRBは昨年12月に利上げを開始した当初、先行き年4回程度の利上げペースを想定していたが、ふたを開けてみると2016年は結局、今のところ一度も利上げに踏み切れていないのが現実だ。

6月14〜15日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)でも、短期金利の指標であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジが0.25〜0.50%に据え置かれた。声明文では、「経済活動の成長が回復したように見える一方、労働市場の改善ペースは減速した」として、前回の「経済活動の成長が減速したように見えるにもかかわらず、労働市場環境は一段と改善した」というものとは対照的な判断が示された。

具体的には「失業率は低下したが、雇用増加は縮小した」と、雇用の鈍化に言及した。これは5月の非農業部門雇用者数が前月比プラス3.8万人と、市場予想を大幅に下回ったことを受けたものだろう。

実際、米国の雇用増加ペースの悪化は気掛かりだ。過去の米国の景気循環を見ると、雇用増加ペースが拡大局面の平均を下回り続けるときは、その後の景気後退の前兆となる傾向があった。もちろん、5月分は大手通信社のストライキなど一時的な押し下げ要因もあった点には留意したいが、来月以降の雇用統計で明確な持ち直しが見られないと、景気後退リスクに対する懸念が高まる可能性もあろう。バークレイズのモデルによると、今後12カ月に米国が景気後退入りする確率は、5月雇用統計の結果を受けて、従来の15%から30%に上昇している。

また労働市場環境に加えて、期待インフレ率の下落もFOMCの懸念材料となっている。これまでFRBはサーベイに基づく長期期待インフレ率の安定を重視してきた。しかし、米ミシガン大学消費者信頼感指数では、5〜10年先の期待インフレ率がプラス2.3%と、1979年の調査開始以来の最低水準を記録している。

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