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「ドル高のわな」から抜けるのは至難の業 新しい米大統領でも通貨安路線が続きそう

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

5月に入ってからのドル円相場は持ち直しが続いている。特に18日に発表されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)議事要旨(4月26〜27日開催分)で「6月利上げが適切になりそう」といった議論が確認されたことで、にわかにドル買いの勢いが強まっている。

議事要旨には「何人かの参加者」が「経済・金融動向に対して委員会がどのように反応していくつもりなのかということに関し、会合と会合の間で明確なコミュニケーションを行うことの重要性を強調した」とも記されている。ラフに言い直せば、「市場参加者はわれわれの利上げスタンスを見くびりすぎている」ということになろうか。

この議事要旨を見るかぎり、6月利上げが行われても不思議ではない。だが、一国の経済政策に関するポリシーミックスを考える際、金融政策と通貨政策の方向は一致していなければならないという鉄則を思い返すべきである。4月29日に米財務省が公表した為替政策報告書やこの前後に付随して見られたルー米財務長官の言動は、明らかにドル高を忌避するものだった。

ドルインデックスなどを見ても、過去2年におけるドル高相場の清算は始まったばかりという印象がぬぐえず、年初来の米製造業マインドの持ち直しなども明らかにドル高基調の一服を受けた結果だろう。経済指標が落ち着いてくれば、完全雇用に近い状態にある米国においてFRB(米国連邦準備制度理事会)の金融政策の引き締め路線が息を吹き返してくるのは致し方ない。しかし、もとより米財務省の通貨政策における通貨安路線は経済動向のみならず国内政治情勢をくみ取った動きだったはずである。現状、両政策の方向性は矛盾しつつあるように見受けられる。

利上げによる悪循環

今年後半になれば、新しい米大統領の通貨政策に注目が集まろうが、クリントン氏もトランプ氏も、ドル高を牽制する通貨安路線に大きな違いはなさそうである。

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