今月3日に発表された5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが3.8万人にとどまった。過去1年の平均が21.9万人だったことを考慮すると、衝撃的な落ち込みだ。
4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が突然、タカ派色を強めたため、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が高まっていた。だが、そうした米利上げ観測は修正を余儀なくされ、米金利が低下する中、為替市場では米ドルがほぼ全面安となった。一時は111円台に乗せたドル円に至っては、一気に106円台へ値崩れした。
過去に大幅な上方修正
ただ、今回の雇用者数の落ち込みは統計的なエラーの可能性もある。米経済と雇用が2008年のリーマン危機からおおむね立ち直った11年以降を振り返ると、新規雇用者数が10万人を下回ったことは10回あるが(表1)、そのうちさらに下方修正されたのは13年12月の1回だけで、残り9回の事例はその後上方修正されている。修正幅は平均で6.4万人増だった。11年6月に至っては、当初1.8万人と発表されたが、最終的には23.5万人に上方修正された。
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もし3日発表の数字が過去平均と同じ幅で上方修正されるならば、5月の非農業部門雇用者数の伸びは10.2万人となる。決して強い数字ではないが、FRBが金融引き締めを放棄しなければならないほどの弱さではない。そもそも雇用統計は変動幅の大きい、扱いにくいデータなのだ。一方、今回5.0%から約8年半ぶりの低水準である4.7%へ低下した失業率はほとんど修正されることはない。労働参加率の低下が失業率低下をもたらした点を割り引く必要はあるが、米雇用情勢は底堅さを維持しているとの判断が自然だろう。
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