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100円割れが現実味 米の連続利上げ難しく

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  • 内田 稔 三菱東京UFJ銀行 チーフアナリスト

6月3日に発表された5月分の米雇用統計では、非農業部門の雇用者はわずか3.8万人の増加にとどまった。16万人程度との市場予想を大幅に下回る内容だ。失業率こそ4.7%と金融危機後の最低水準まで低下したが、労働参加率が下がっているため、前向きの評価をしづらい。

新規失業保険申請件数が低水準を維持していること、米ADP社によるADP雇用統計が17.3万人増を記録したこと、米通信大手での大規模なストライキにより給与の支払いがなかった従業員の分、下押しされていることなどを勘案すると、3.8万人の増加幅は一時的な落ち込みとも取れる。しかし前月分も大きく下方修正がなされ、FRB(米国連邦準備制度理事会)高官らが重視する6カ月の移動平均で見ても、雇用者の伸びは約17万人に落ち込んでおり、好調の目安とされる20万人を下回っている。

景気先行指数が低下

より明確に労働市場の先行きに対して警鐘を鳴らしているのが、労働市場情勢指数(LMCI)だ。19の労働市場に関する指標から、労働市場の改善度合いをプラスかマイナスで示す便利な指標だ。数字の大きさは、改善や悪化の程度を表している。

5月のLMCIはマイナス4.8を記録した。今年の年初来、すでに5カ月連続のマイナスで、金融危機後の景気拡大期では最長となる。やはり労働市場改善の勢いは鈍り始めている可能性が高い。

重要なのは、このLMCIと米国の景気循環との相関が非常に高い点だ。LMCIが公表されている1977年以降、米国は5回の景気後退期を経験しているが、いずれも後退期入りの半年から1年半ほど前に、このLMCIがマイナスに転じている。

一方、LMCIがマイナスに転じたものの、景気後退を回避できた場面も少なからずある。そうした局面では、FRBが金融緩和を行ってきた。最近の例では、2012年5~6月の2カ月間にわたりLMCIがマイナスに転じた際に、FRBは12年9月に量的緩和策第3弾(QE3)を講じている。

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