ドル円相場は、4月の日銀金融政策決定会合での緩和見送りや全般的なドル安の流れを受け、日本の連休中に、一時1ドル=105円台まで円高が進んだ。今後の焦点は、(1)米国経済の回復、(2)日本の政策、(3)海外リスク材料、だが筆者は今年度中に95~100円程度まで円高が進むと予想する。
米国経済が焦点
ドル円相場の第1の焦点は、米国経済の動向だ。1~3月期実質GDP成長率は前期比で年率0.5%まで落ち込んでおり(図1)、4~6月期にどれだけ持ち直すかが、FRB(米国連邦準備制度理事会)の金融政策を予想するうえで重要な材料となる。
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4月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)の声明文では、「経済活動の成長が減速したようにみえるにもかかわらず、労働市場環境は一段と改善した」と、景気減速は一時的だとの見方が示唆された。しかし、地区連銀が発表するGDPのリアルタイム推計値は4~6月期も低成長が続いている可能性を示しており、今後発表される各種経済指標に注目したい(図1)。
また、FOMCは「世界経済・金融の動向を注意深く観察していく」と表明し、米国内経済のみならず、中国を含む海外情勢の安定も重視している。米国経済の減速や慎重なFOMCのスタンスを踏まえると、6月利上げのハードルは高く、今年の利上げは1回(9月)にとどまる公算が大きい。昨年のように、利上げ期待を背景とするドル高は期待しにくく、むしろドル安が長引く可能性が高い。
(2)日本の金融・財政政策にも注目したい。日銀は4月27~28日の決定会合で追加緩和を見送ったが、市場ではなお6月および7月会合での緩和期待が根強く、筆者も7月追加緩和を基本シナリオとしている。財政政策については、2016年度予算の前倒し執行、補正予算、消費増税先送りを通じて財政引き締めを回避する可能性が示唆されている。金融・財政双方で緩和的な政策が取られ、リスクについての市場心理が改善した場合、ドル円相場にも短期的には上昇圧力がかかろう。
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