英国のEU離脱という投票結果を受け、円が独歩高となったのは、市場に積み上がった円ショートポジションが依然大きいことを示唆している。
短期的な投機筋のポジション以外にも、円ショートポジションは積み上がっている。貿易黒字や所得収支の黒字、海外留保利益は本邦企業が抱えるものだ。さらに本邦投資家は今年3月までの20カ月間で20兆円もの外国株投資を行った。これも新たに積み上げられた円ショートポジションで、それ以前に行われている為替リスクを取った外国債券投資・外国株投資の残高は、この数倍の規模に上る。証拠金取引を通じて個人投資家も巨額の円ショートポジションを抱える。
こうした状況下で、世の中を不安にさせるような出来事が発生し市場が不安定化すると、ポジションを閉じる行為が、円の買い戻しを発生させてしまう。
もっとも、英国の国民投票の結果をめぐる、いわゆるリスクオフの円買いは長くは続かないと見ている。英国がどのような形でEUから離脱するのか、といった詳細が判明するまでの道のりがあまりに長く、不透明すぎるからである。正式に離脱するまでの少なくとも2年間、英国とEUの関係は現状のままだ。
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