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ヘッジファンドの迅速な ポジション調整に注意が必要

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  • 藤戸 則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資情報部長

3月FOMC(米国連邦公開市場委員会)によって、「6月利上げ説」は大きく後退したようだ。FOMC後のイエレンFRB(米国連邦準備制度理事会)議長の記者会見では、以下の3点に注目すべきであろう。

まず第一に、ドル高に言及した部分が極めて多かったことである。イエレン議長は、ドル高が純輸出を鈍化させ成長の足かせになるとともに、インフレ率を押し下げることを公式に認めた。

第二には、雇用の「質的改善」が、まだ不十分なことである。議長は、非農業部門雇用者数や失業率の改善を認めながらも、平均時給の伸びの鈍さ、低水準の労働参加率といった質的な課題を指摘した。

2月雇用統計においては、全従業員の平均時給が前年比プラス2.0%と伸び悩んだが、管理職を除いた平均時給はプラス1.6%で一段と鈍化している。つまり、雇用の改善にもかかわらず、賃金の上昇は抑制的である。これは、「雇用改善→賃金上昇→個人消費拡大→インフレ率上昇」の構図に疑義が生じたことを意味している。

米国の小売売上高は、ガソリン価格の下落により拡大することが期待されたものの、昨年12月から3カ月連続で前月比マイナスを記録している。悪天候の影響を考慮しても、失望的な内容である。

第三には、利上げの時期を、「労働市場が一段と改善され、インフレ率が中期的に2%の目標に戻っていくと合理的に確信した場合」と規定したことだ。この「労働市場の改善」が、質的改善を指すことは言うまでもない。また、「インフレ率2%の合理的確信」のためには、エネルギー価格の上昇、ドル高の是正が要件になってくる。

こうした3要素を勘案すると、6月FOMCで利上げに踏み切る可能性は大きく低下したものと思われる。

大規模な巻き戻しに

3月FOMCを受けたマーケットの反応は、第一に米長短金利の急低下、第二にドル独歩高の是正、第三に米株の利益確定売り先行、であった。6月利上げに備えた債券のポジションは巻き戻され、為替相場でもユーロおよび資源国・新興国通貨のリバウンドが目立った。

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