「フリル」、10億円調達で次のステージへ 激闘C2C市場最前線を追う<3>

✎ 1〜 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今回、10億円の資金調達も実施し、「ファッションとコミュニティという軸は重要視しつつも、今後は空中戦に取り組んでいく」という話もあり、年内にTVCMを投下してくる可能性が高いと筆者は感じ取った。

月間流通総額が既に5億以上で手数料が10%。単純計算で月商は5000万円、そのペースと仮定すると年間で6億円の売り上げになる。流通総額はメルカリほどのスケール感はないと判断するが、収益化は早く、「女性×ファッション」というジャンルでは十分な取引量を確保でき、確実性が高い。メルカリより先に2015年中に上場すると予測する。

【梅木雄平のスタートアップチェック (各項目を1~5で採点)】
●経営陣:4.1 代表取締役の堀井氏は28歳と若いながらに、非常に勤勉で真面目な経営者。(かつての)リブセンス村上太一氏と雰囲気が似ている。愚直にプロダクトを磨く地上戦に長けた印象があるが、今後の空中戦のフェーズで上手くサービスを伸ばせるかは現段階では判断できない。
●市場性:3.8 C2Cフリマアプリは1,000億市場だが、女性×ファッションに絞っているため、市場はやや限定されるといえる。
●利益率:4.0 成約金額に対する手数料10%はC2Cサービスでは一般的。手数料30%前後のB2Cサービスの売り上げ比率がどこまで高まるかで、企業としての収益性は変動してくる。
●競合優位性:4.4 日本初のフリマアプリとして、競合が多い市場を勝ち抜いてきた。女性×ファッション特化でコミュニティ感もあるサービスであり、ターゲット層の認知率は高い印象がある。ファッション好きな女性がフリルからメルカリに流れるとは考えにくく、メルカリは非ファッションユーザーが定着するという棲み分けになると予測。
●海外展開力:- 現段階では展開予定はない。展開するなら台湾やタイなどの東南アジアからと考え、早くて2015年からか。一旦レーティングは控える。 
●総合点 :4.2 「女性×ファッション」というギリギリ成立するラインの市場性に対してエンゲージメントの高いサービスを愚直提供できる経営陣。手堅く上場まではいけるだろう。上場後はC2Cだけだと成長性に限界があるため、B2Cの比率をどこまで高められ、「女性向けファッションコマースならフリル」というポジショニングを確立できるかが、上場後の課題となるだろう。
●予想EXIT:2015年中の上場
●推定時価総額:300億円
 推定根拠:2014年9月時点での公表月間流通総額が5億円以上。2015年の年間流通総額200億円を目指すとし、C2Cだけで達成した場合は手数料10%で売上20億。B2Cの比率が上がってくることを考えると売り上げは30億くらいまでの伸び代がある。営業利益率50%と仮定してベストケースで営業利益15億円。保守的なPERで見積もるとして、時価総額300億円程度は狙えると判断する。
 

(撮影:尾形文繁)

梅木 雄平 The Startup編集長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うめきゆうへい

慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェント子会社にてベンチャーキャピタル業務などに従事。複数のスタートアップ企業での事業経験を経て、2011年フリーランスとして独立後2013年に株式会社The Startupを設立。スタートアップ業界のオピニオンメディアThe Startup編集長を務める。著書に『グロースハック』がある
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事