韓国大慌て!ソウルの住宅価格が超高騰した訳 政策が裏目、遠のく中流の夢と高まる政権批判

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弁護士や税理士への取材によると、持ち家の「階段」を上るためにわざと所得を削る計略のほか、書類上は離婚して不動産税を減らしたり、結婚届を出さず夫妻がそれぞれ住宅購入を申請できるようにしたりするなど、市民はあの手この手で住宅購入を試みている。

新型コロナ対策が成功し、一時は支持率が急上昇した文大統領だが、6日発表の世論調査によると、経済政策への怒りから支持率は44.5%と、約9カ月ぶりの低水準に下がった。

大統領府はこの記事へのコメントを控えた。

中産階級への切符

1950─53年の朝鮮戦争以来、韓国の国民にとって中産階級に加わる一番の近道は一流大学を出ることか、ソウルでマンションを持つことだった。家計資産の約4分の3が不動産に集中しているのはこのためだ。

しかし今、懸命に勉強して弁護士やインテリアデザイナーなどの職に就いた「汚れたスプーン」勢は、住宅価格鎮静化策により、「6桁台」の給料を稼いでいてもソウルでの物件購入が不可能になった。

KB銀行のデータによると、ソウルの平均的な物件の価格は現在、平均的な韓国家計の14年間分の所得を超える。出費をゼロとした場合の計算だ。文大統領の就任時にはこれが11年分だった。

ソウルの賃貸マンションで2人の娘と夫と暮らす弁護士のホン・ナンリさん(35)は、不動産市場から締め出されていると語る。借りているマンションの価格は、引っ越してきた2015年から2倍に高騰した。

「(15年に)結婚した時、住宅価格は下がると信じていた。今では皆に、どうして買える時に買っておかなかったの、と聞かれる。イライラするけど仕方がない」とホンさんは話す。子供のベビーシッターや就学前に必要なことや自分の仕事を考えると、ソウルから引っ越すことは考えられないという。

文大統領は経済の構造問題に取り組むため、巨大財閥の力を抑える政策などと併せ、住宅ローン規制の強化を実施した。前政権が実施した与信緩和策が住宅バブルの引き金を引いたと批判されたからだ。

しかし保守派エコノミストからは、文政権の政策がかえって将来の不透明感と不安感を高めているとの指摘が出ている。

(Cynthia Kim記者)

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