五輪中止なら「新国立競技場」はどうすべきか

24億円の赤字を「100億円の黒字」にする方法

オリンピック後の新国立競技場の利用計画はどうなっているのでしょうか?(写真:矢作真弓/PIXTA)
世界のスポーツ用品市場で第3位の売り上げを誇り、日本でも年々認知度が高まっているアンダーアーマー。その日本総代理店として日本市場の開拓を一手に担うドーム社の安田秀一CEOは、業務の傍ら世界のスポーツビジネスの調査を続け、アメリカ、ヨーロッパのスポーツビジネスの「稼ぐ力」の強さを目の当たりにしてきた。
そんな安田氏の新刊『スポーツ立国論――日本人だけが知らない「経済、人材、健康」すべてを強くする戦略』が刊行された。
日本のスポーツビジネスの問題点とその改善策、およびスポーツをてこにした日本復活戦略を説く本書の中から、本記事ではオリンピック後の「新国立競技場」のあり方について解説してもらった。

何も行われず赤字を垂れ流すだけのスタジアム

新型コロナウイルスの蔓延によって、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が危惧されています。IOC(国際オリンピック委員会)のディック・パウンド委員が「事態が終息しなければ、東京オリンピックの中止を検討するだろう」として、5月までの判断が必要と語ったと報道されました。

デービッド・アトキンソン氏推薦『スポーツ立国論』(書影をクリックすると、Amazonのサイトにジャンプします)

多くの方が力を合わせて準備されてきたオリンピックです。何とかウイルス蔓延が収束し、無事に開催にこぎ着けることを願ってやまないのは、僕も読者の皆さんと同じ気持ちです。

ですが、楽観視してばかりはいられません。時には「最悪の事態」を想定し、あらかじめ対策を考えることも必要です。

「オリンピック中止」ともなれば本当にさまざまな問題が生じますが、ここではそのうちの1つ、オリンピックのメインスタジアムとして建設した「新国立競技場」をどうするか、という問題を考えたいと思います。

次ページこのままでは「1529億円」がムダになる
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