原宿から生まれたフランス人インスタグラマー 無名の女の子が日本でフォロワー1万人超に

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竹下通りで際立つ個性を発揮していた彼女は、夢に向かって進む在日5年のインスタグラマーでした(筆者撮影)
普段、何気なく歩いている道や通り。でも、行きかう人たち、たたずむ人たちに意識して目を向けると、あの人は何者だろう?何をしているんだろう?と気になることがないだろうか。これは、そういう「路上の人」に話を聞こうという企画だ。
インタビューとは通常、何かしらユニークな取り組みをしていたり、特筆すべき成果を上げている人に対して行う。手続きとしてはアポを取り、場所を用意し、下調べをして聞きたいことを整理してから臨む。
僕も普段はそのようにして仕事をしているけど、それとは別に、路上で見かける「気になる人たち」に話を聞いてみたいと思った。日常のなかでほかの人とは異なる存在感を放つ彼ら、彼女らから、自分が知らない世界、社会がのぞけるかもしれない。イレギュラーな出会いだからこそ、普段は耳にしないような言葉を聞けるかもしれない。
この企画の第1弾として声をかけたのが、マチルダさんだった。

出会いは原宿の竹下通り

原宿駅の竹下口を出て、竹下通りを歩く。明治通りまで続くおよそ350メートルの通りは、平日の午後も人が多い。その大半が外国人観光客と修学旅行生で、さまざまな国の言語と若者たちのはしゃぐ声が耳に入る。

メインの通りは人であふれかえっているのに、途中にあるいくつかの細い横道は閑散としていた。僕はそこに置かれたベンチに腰掛け、ペットボトルの緑茶を口に含んだ。少しボーっとしていると、目が覚めるようなカラフルなファッションをした、明るい水色の髪の毛の女の子が、竹下通りを原宿駅方面に歩いていくのが目に入った。一瞬躊躇した後、ベンチを立ってその子を追いかけた。

いろいろなファッションをした人がいる竹下通りながら、その子の個性は際立っていた。いい意味で周囲から完全に浮き上がっていて、彼女とすれ違った外国人観光客がみな、振り返っている。どんな子なのだろうと距離を縮めて気がついた。外国人だ。もしかしたら彼女も観光客だろうか? 

「エクスキューズミー、キャンユースピークジャパニーズ?」

つたない英語で話しかけると、驚いた様子で振り返った彼女から「はい」と日本語が返った。

次ページアルバイトに向かう途中だった彼女は…
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