エアコンが赤字転落、津賀パナソニックの不安 上期決算は最高益も新たな課題が浮上

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「構造改革の方向に、大きな間違いがないことが見えてきた」。10月31日、パナソニックの津賀一宏社長は力を込めて語った。

同日発表された2013年4~9月期(上期)決算は、最終利益が過去最高の1693億円を記録。プラズマテレビなどAV家電の不振で、前期まで2期連続で7000億円超の最終赤字に陥り、津賀社長自ら「普通の会社ではない」と表現した状況から比べれば、急激な回復だ。

復調を支えているのは、車載関連と住宅関連の2分野だ(図)。車載は円安を追い風に、カーオーディオなどが堅調だった。住宅は消費増税前の駆け込み需要という恩恵を受け、住宅設備機器などが伸びた。

パナソニックはこの2分野を、今春から始まった新中期計画(以下、中計)で成長の要と位置づける。実際、これまで主力だったAV家電の赤字が続く中、車載と住宅の改善は顕著で、収益構造の変化を印象づけた。

また決算発表と合わせて、トルコの配線機具大手ヴィコ社を約460億円で買収すると発表。中村邦夫元社長、大坪文雄前社長時代の負の遺産であるプラズマパネル事業からの撤退も決めた。

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