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累計10億本!森永「パルム」の売れ続ける秘密 大人向け箱入りアイスはいかにヒットしたか

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  • 金森 努 青山学院大学経済学部非常勤講師

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「大人向けの箱入りアイスを作る。それが最初の挑戦だったのです」。森永乳業の「PARM(パルム)」シリーズ、ブランド担当者は当時を振り返りながら、シリーズ開発の経緯を説明してくれた。

パルムが登場した2005年当時、“大人”が主なターゲットとなるプレミアムアイス市場は約9割という不動のシェアを「ハーゲンダッツ」製品に占められていた。ただ、パッケージの形態別で検討すると、マルチパック、つまり箱入りアイスは子ども向け、或いは親子向け商品が過半で、そこにホワイトスペースが存在した。

製品と価格の緻密なバランス

では、「大人向け」というポジショニングをどのように実現したのか。それは、製品(Product)と価格(Price)のバランスにおいて緻密に設計された。下の図を参照しながら読んでほしい。

 当時の箱入りアイスは店頭価格300円が相場。森永乳業では、そこを50円あげて350円(当時)というターゲットプライスを設定した。それによって、バリュープロポジション(そのブランドや製品がとり得るポジションニングの前提となる相対的な提供価値の分類)を明確にする「高価値戦略」狙いである。

「価格のわりに、価値は高い」とお客に感じさせるため、製品開発は徹底したこだわりとともに行われた。パルムは「なめらかな口どけのチョコレートとリッチなミルク感」を特徴とした商品だ。それを実現するために、「原材料はプレミアムアイスクリームと同様のクリーム・脱脂濃縮乳を使っている」(ブランド担当者)。これを急速冷凍などの技術で加工し「氷の結晶の細かいなめらかなアイスを実現した」(同)という。そして何より、アイスクリームを包むチョコレートを体温と同じ温度で溶けるようにコントロールすることで、口に入れた瞬間になめらかに溶ける感覚を作り出した。

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