坂を下り、橋を反対側へ渡った所の横には、橋下へ降りる階段が設けられている。降りた先は川沿いの田畑であり、秋の稲穂が頭を垂れていた。
下から見上げた草花大橋はコンクリート構造の汚れやザラつきが若干目立ち、竣工後に補修工事を行った形跡も見られる。よく見ると、橋桁の下にはいくつものツバメの巣があり、一部には心無い人による落書きもされていた。これらもまた、橋が完成から今まで少なくない時間を経てきた証拠である。
12年間封鎖の原因は「用地トラブル」?
なぜ草花大橋は2013年の完成から、12年にわたって開通しなかったのか。2021年4月27日付で東京都が公開した資料では、橋の開通を求める都民の意見に対して、下記のような返答がされている。
「都では、草花大橋から氷沢橋交差点の間のいずみ通りを、両側に歩道のある二車線道路(片側一車線)に拡幅整備を進めています。現在、氷沢橋交差点付近は、現道が狭あいであり、草花大橋を開放して交通量が多くなることで、登下校する児童や歩行者の安全確保が難しくなるため、御提案のあった草花大橋の片側一車線の通行につきましては、困難な状況にあります」
2023年(令和5年)に道路拡張工事が始まるまで、氷沢橋交差点の南側には幅員約5mの狭い区間が残されていた。当時の状況はGoogleストリートビューで確認可能だが、交差点手前までセンターラインすらない1車線道路は、そのまま南北交通の要とするには余りに心もとない。ここが草花大橋に接続する道路の幅を狭め、ボトルネックになって安全上の問題が起こるのを避けたため、橋そのものには問題ないにも関わらず、竣工後も長期間閉鎖されていた……という流れだ。


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