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少し前のことになるが、私は6月にケビン・ウォーシュFRB議長の最初のFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見を大絶賛した(「東洋経済オンライン」の別の有料会員限定連載「アフターエコノミクス」にて)。
デビューからたった4カ月、ウォーシュ議長は「寂しい過去の人」に
だが、今回は、大失望を告げなくてはならない。10月28日のFOMC後のウォーシュ議長の姿は、虚勢を張る空しい、過去の栄光にすがっているトップのように見えた。たった4カ月で彼は、新進の大スターから、早くも過去のヒットにすがる、ポストの力にすがる、孤立した寂しい過去の人となってしまっていた。
すべての軽口は空回り。自信満々を装うが、記者たちは、よそよそしい。ただ、さすがアメリカの記者たちで、聞くべきことは聞く。しかし、それに対しても、終始逃げ腰の答えばかりだった。記者たちも、うんざりというか、なんだよ、と空しいというか、軽蔑したような雰囲気になった。
象徴的だったのは「1人質問は1つまでだが君は2つしている」と軽口のつもりだろうか、冗談を混ぜつつ「僕が選ぶ権利あるよね、じゃあ2つ目を」と結局1つを答えた。だが、それも逃げ腰の答えだった。それに対して、古参の記者が、その冷たい仕打ちを受けた、若いがFOMCの記者会見歴は長い記者をフォローして「じゃあ、俺は(さっき答えてもらえなかった)1つ目の質問をするよ」と続いた。ウォーシュ議長は「見事なチームプレイだ」、と冗談の雰囲気で流したが、これはまさに好対照だった。
ジェローム・パウエル前議長の退任間際のころは、パウエル前議長と記者たちが、一体となり、記者会見は、和やかなファミリーが、しかし、熱く結束して「ドナルド・トランプ大統領の圧力何するものぞ」というすばらしい光景に、私は、ネット動画の生中継を前に涙ぐんでしまったほどだった。
その名残はわずかに、古参の記者たちには残っている。だが、今のFRB議長の側にはどこにもない。最後のほうに、珍しく、韓国メディアの記者の質問を、司会者が取り上げたが、これに対しては、ウォーシュ議長は異常なまでに長くおしゃべりをし、現韓国中央銀行総裁との思い出を、だらだらと語り続けた。


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