INDEX
まだ非電化区間が多かった時代、国鉄の路線網で大きな役割を果たしたのが気動車だ。電化区間も非電化区間も直通でき、かつ短編成から長編成まで自由自在に連結できる機動力を生かして、まさに全国の津々浦々を結んでいた。
中でも、行き先が異なる列車を複数連結した「多層建て列車」は、柔軟な運用のできる気動車の特徴を生かした存在だった。今回は国鉄時代を中心に、気動車急行の主な多層建て列車や複雑な経路を走った列車を取り上げたい。
「多層建て急行」どんな列車か
まず、多層建て列車について簡単に触れておきたい。簡単にいえば、行き先の異なる列車を1本にまとめて運行し、途中で切り離し・連結を行う列車のことで、現在でいえば代表格は東北・秋田新幹線の「はやぶさ・こまち」や東北・山形新幹線の「やまびこ・つばさ」であろう。
国鉄時代はこのような列車が各地を走っており、とくに連結の自由度が高い気動車の急行列車に多かった。中には違う行き先・愛称の列車を3本束ねた「3階建て」と呼ばれる多層建て列車なども存在し、途中で連結や切り離しを繰り返しながら走るという、さながらミステリーのトリックのように複雑怪奇な編成の列車が運行されていた。
全国を走った主な多層建て気動車急行を、北から順に追ってみよう。

