背景には、家族の存在もあった。40歳を過ぎて結婚し、2016年に長女が誕生。現在は9歳、7歳、3歳の3姉妹の父だ。家族は、妻の実家がある長野で暮らしている。
「レストランは、金土日祝を頑張らなきゃいけない仕事です。でも、年齢がいってから授かった子どもだったので、その時間を家族と過ごすことに使いたかった。監修やプロデュースのお仕事は店をやっていた頃から続けていたので、何かを新しく始めたというより、家族優先のスケジュールにしたいというのが一番大きかったかもしれません」
そんな川越さんが、40代前半から5〜6年間、料理以外で本気で打ち込んだことの1つがゴルフだ。レッスンを受けながら真剣に練習を重ね、最高スコアは70打ほどまで上達した。東京と長野を行き来する道中で、埼玉や群馬、軽井沢のゴルフ場に立ち寄るのが楽しみだったという。
「子どもの頃から野球をやっていましたが、ほかのスポーツに真面目に取り組んだことはなかったんです。ゴルフって、止まっているボールなのに思い通りにいかない。こんなに歯がゆいスポーツはないと思いました。人生と重なるところもあるんです」
新たな出会いが、「知の財産」になる
川越さんが近年、力を注いできたのが、地域の食材を生かしたメニュー開発やプロデュースだ。
「知らない地域には、まだ食べたことのないおいしい食材や調味料がたくさん眠っている。いろいろな土地に行くと勉強にもなるし、自分の中の『知の財産』になります。その土地の食材と掛け合わせたアイデアがハマると、ワクワクします。それが5年後、10年後に定番メニューになっていたら嬉しいですね」


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