高市首相と日本政府の幹部は、トランプ氏と習氏との「グランド・バーゲン(大取引)」で、日本が事実上孤立しかねないという見通しに、すでに警戒している。その危険は、習氏がワシントンを訪問したときには、ほぼ回避された。しかし、2人の指導者は、中間選挙の後に2回会う予定だ。深圳でのAPEC首脳会議と、フロリダのトランプ氏のゴルフリゾートで開かれるG20首脳会議だ。
トランプ氏の反中姿勢は、ほとんどが支持層向けのパフォーマンスだ。実際には、本格的な貿易戦争に踏み切ることや、ハイテク技術の中国への流出を本気で制限することは、ほぼ放棄された。西太平洋の米軍の防衛態勢は、イラン戦争の前から縮小されている。選挙後、トランプ氏が中国との緊密な連携を固めようとするのを止めるものは、ほとんどないかもしれない。
「トランプ氏は、習主席を少し恐れていて、その承認も得たがっている」と、英セント・アンドリューズ大学の戦略学教授でアナリストのフィリップス・オブライエン氏は指摘している。「結局のところ、トランプ氏は中国が東アジアを支配することを喜ぶだろう。特にそれで利益を得られるならばなおさらだ」。
議会はトランプ氏を止められるか?
日本政府の幹部は、弱体化したトランプ氏が、選挙後に議会からより強い抵抗を受けることを期待しているかもしれない。勝利した民主党だけでなく、2028年の大統領選に向けて、トランプ氏を政治的な重荷とみる共和党議員からもだ。しかし、トランプ氏は、政治的報復と、議会の権限の無視という道を、さらに突き進むだけだと主張する観測筋もいる。
「極端な政策、議会の召喚状の無視、裁判所命令の拒否や無視が予想される。トランプ氏は、残りの任期中、統治で非常に対決的な姿勢をとるだろう」と、国務省の元高官エバンス・リビア氏は話す。「失うものは何もないと感じるかもしれない。特に、連邦最高裁が大統領としての行為について包括的な免責を与えているからだ」。


※ログイン後、コメント入力が可能です。