それが正しいとしても(アメリカの日本通の多くがこの見方を共有している)、中間選挙の結果として、日本に大きなリスクが生じないわけではない。多くは、深刻な政治的敗北を喫したトランプ氏が、どのような心理状態になるかにかかっている。
国務省の元高官は、可能性の1つとして、トランプ氏がもっぱらレガシー(遺産)を固めることに集中するだろうと指摘する。自分を称える記念碑を建て、外国勢力との汚職や、貿易・投資の取引を通じて、自分と家族を富ませ続け、アメリカ国内の政敵を追及することによってだ。
英エコノミスト誌の元編集長ビル・エモット氏は、「大統領という仕事を自分本位にしか考えていない人にとって、残りの2年間をそのように過ごすことはかなり魅力的に映るかもしれない」と述べている。
トランプ氏がさらに挑発的な行動に出る可能性も…
しかし、アメリカのアナリストの中には、トランプ氏が外交政策の権限を使って、これまで以上にリスクが高く、挑発的な行動に出る可能性が高いとみる向きもある。ここ数日のトランプ氏のロシアのウラジーミル・プーチン大統領へのあからさまな接近は、これから起きることを示すよい指標かもしれない。
この2つの道は互いに排他的ではないと、元アメリカNATO大使のアイボ・ダールダー氏は話す。「『レガシーを追うドン』は間違いなく現れる。それが彼という人だからだ」とダールダー氏は言う。「しかし、同時に、間違いなく常軌を逸した状態にもなるだろう」。
前出の国務省の元高官は、弱体化し孤立を深めたトランプ氏が「ますます権威主義的になり、自分と習近平氏、プーチン氏が世界を支配すべきだという考えを強めるだろう」と予測する。
ダールダー氏は、11月に深圳で開かれるAPEC首脳会議の場で、プーチン氏が提案した習氏、トランプ氏を含めての3者会談が行われる可能性は非常に高いとみている。その会談は、ロシアに有利な条件でウクライナに降伏を迫ることが焦点になるかもしれないが、トランプ氏は、3人の偉大な指導者が肩を並べる姿を見せるだけで満足するかもしれない。
「トランプ氏は力を誇示する必要があり、それが常軌を逸したことをする可能性を高めている」とダールダー氏は言う。


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