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【読書週間スタート】「AIがあれば本はいらない」と考える人の重大問題 AI時代に「読書の価値」がむしろ高まる納得理由は?

6分で読める
読書する女性
AIがあれば本を読む必要はないのでしょうか?(写真:yamasan/PIXTA)
  • 市野瀬 早織 元渋谷教育学園渋谷中学高等学校 国語科専任教諭 市野瀬教育研究所 所長
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たとえば、自分がほとんど知らない分野について、AIに質問したとしましょう。

もっともらしい説明が返ってくる。その分野の知識がほとんどなければ、「そういうものなのだ」と受け止めるしかないかもしれません。

ところが、これまでそのテーマについて何冊か本を読んでいたらどうでしょう。

「この考え方は、以前読んだ本にも出てきた」
「でも、別の著者はまったく違う立場だった」
「この説明だけでは、あの論点が抜けている気がする」

そんなふうに、目の前の答えを別の情報と比較できるようになります。

知識とは、「正解をたくさん暗記している状態」だけを指すのではありません。目の前の情報を、別の角度から見るための材料でもあるのです。

【「多角読み」のすすめ】1つの文章を「一方向」からだけ読まない

私は、本の中で「多角読み」という方法を紹介しています。

たとえば、ある社会問題について書かれた文章なら、書き手の説明を理解するだけで終わらせない。

「経済の面から見たらどうだろう」
「教育という観点ではどうか」
「歴史的に考えれば、何が見えてくるだろう」

と視点を変えてみる。

同じ文章でも、ダイヤモンドを見る角度によって輝き方が変わるように、切り口によって見えるものは変わってきます。ひとつの文章であっても、見る角度を変えると、気づくことや感じることは変わります。

私は、こうした「多角読み」が思考の幅を広げてくれると考えています。

これはAIが出した答えを読むときにも通じるでしょう。

大切なのは、「AIの答えは正しいか、間違っているか」という二択だけでなく、「ほかの立場から見たらどうか」「この答えが前提としているものは何か」「別の知識と組み合わせたら、違う見方ができないか」と考えることです。

そのとき、自分の中に「考える材料」が多ければ多いほど、考える方向も増えていきます。

だから読書によって増えていくのは、「一つの答えを、一つの答えのままで終わらせない力」でもあるのです。

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