たとえば、自分がほとんど知らない分野について、AIに質問したとしましょう。
もっともらしい説明が返ってくる。その分野の知識がほとんどなければ、「そういうものなのだ」と受け止めるしかないかもしれません。
ところが、これまでそのテーマについて何冊か本を読んでいたらどうでしょう。
そんなふうに、目の前の答えを別の情報と比較できるようになります。
知識とは、「正解をたくさん暗記している状態」だけを指すのではありません。目の前の情報を、別の角度から見るための材料でもあるのです。
【「多角読み」のすすめ】1つの文章を「一方向」からだけ読まない
私は、本の中で「多角読み」という方法を紹介しています。
たとえば、ある社会問題について書かれた文章なら、書き手の説明を理解するだけで終わらせない。
と視点を変えてみる。
同じ文章でも、ダイヤモンドを見る角度によって輝き方が変わるように、切り口によって見えるものは変わってきます。ひとつの文章であっても、見る角度を変えると、気づくことや感じることは変わります。
私は、こうした「多角読み」が思考の幅を広げてくれると考えています。
これはAIが出した答えを読むときにも通じるでしょう。
大切なのは、「AIの答えは正しいか、間違っているか」という二択だけでなく、「ほかの立場から見たらどうか」「この答えが前提としているものは何か」「別の知識と組み合わせたら、違う見方ができないか」と考えることです。
そのとき、自分の中に「考える材料」が多ければ多いほど、考える方向も増えていきます。
だから読書によって増えていくのは、「一つの答えを、一つの答えのままで終わらせない力」でもあるのです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。