新型コロナウイルスにかかると、アルツハイマー病のリスクは2倍になる
新型コロナウイルスにかかると、その後のアルツハイマー病のリスクが約2倍に上がる――この数字は、私達脳神経内科医にとっても、極めて注目すべきデータでした。コロナ禍が始まって、わずか2年後に出てきたデータだったからです。ここでは、そのメカニズムについて、研究の内容をもとにもう少し詳しく見ていきましょう。
アメリカには、退役軍人を対象とした大規模な医療システムがあり、詳細な電子カルテデータが長年にわたって蓄積されています。そのしくみを使い、新型コロナにかかった患者さん約15万人と、かからなかった方々を、感染から1年後まで追跡した研究が2022年に発表されました。
結果は、新型コロナウイルスにかかると、アルツハイマー病のリスクは約2倍。これは、これまで危険因子として知られてきた高血圧(約2倍)や頭部外傷(約1.5倍)に匹敵する、あるいはそれを上回る数字でした。
さらにこの後、3つの異なる検討結果を統合した研究でも、ほぼ同じ結果が示されました。具体的には、新型コロナウイルスにかかると、アルツハイマー病はおよそ3倍、パーキンソン病もおよそ2.5倍にリスクが上がっていたのです。――この結果は、研究者の間でも大きな驚きをもって受け止められました。


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