フード付きで、価格は3万円ちょっと。1カ月の給料はまるまるコートに消えた。それでも、由紀さんは満足だった。
「当時(1980年代)はお正月に新しい服を着る習慣があったんですよね。そのために買いに行ったんです。おろしたてのコートを着て初詣に行きました」
由紀さんの高校では、制服の上にはおるコートは自由だったので、学校にも着て行った。気に入って「着倒した」ので、現在はもちろん残っていない。
上品でトラッドなカジュアルラインのブランド
このとき購入した「フランドルクラブ」は、「フランドル」の妹ブランド。由紀さんいわく「『フランドルクラブ』は、おしゃれだけど着やすい感じで、『DO!FAMILY』や『PAGEBOY』などに近い雰囲気のブランド」だった。
3つのブランドに共通するのは、「ガーリーなカジュアルスタイル」だ。ヨーロッパのお嬢様らしいかわいらしさがあり、トラッドやフォークロアの要素を取り入れたカジュアルというイメージである。
「フランドル(フランドルクラブ)」と男性向けの「メンズフランドル」は、ファッション誌(『Olive』や『POPEYE』など)に多数掲載され、当時の大学生や会社員を中心に多くの支持を集めていた。
由紀さんによれば、『Olive』で人気だったほかのブランドのうち、「ニコルクラブ」は好きだったものの高く、「VIVA YOU」は少し派手だった。そうしたブランドと比べると、「『フランドル』は買いやすかった」という。
同社は、現在も株式会社フランドルの社名で存続し、90年代に誕生したINED(イネド)などのキャリア系女性ブランドを中心に展開している。


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