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ビジネス #巧妙すぎる罠の裏側 詐欺の現在地

看護師2人が懲戒解雇、患者の無断撮影動画が流出した「setlog」とは何か、仲間内限定SNSに潜む落とし穴

8分で読める
setlog
Z世代に人気の韓国発Vlogアプリ「setlog(セットログ)」とはどんなアプリなのか、なぜ流出が起きてしまったのか(画像:筆者提供)
  • 鈴木 朋子 ITライター・スマホ安全アドバイザー
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もっとも、問題はアプリにあるわけではない。10月13日には、JR札幌病院の看護師が私物のスマホで撮影した入院患者の動画などをSNSに投稿していたことがわかった。15日には柏厚生総合病院と医誠会国際総合病院も、職員による動画などのSNS投稿について謝罪するなど、同様の事案が相次いでいる。これらの事案が一斉に起きたわけではなく、千葉西総合病院の件で関心が高まったことで過去の投稿が掘り起こされ、注目を集めようとする人たちによって拡散されている面もありそうだ。筆者が確認した限りこれらの事案でsetlogは使われていないが、どんなツールを使うにせよ、撮影する人の意識が変わらなければ、同じことは繰り返される。

情報流出を防ぐために企業がすべきこと

患者のプライバシーを扱う病院での情報流出は、厳しく問われることが避けられない。その点で、千葉西総合病院の初動は早かった。発覚の2日後には懲戒委員会で処分を決めた。また、再発防止先として研修を実施すると発表している。

もちろん研修は必要だ。しかし、研修だけで防げるかといえば心もとない。今回の3人も、患者を無断で撮影してはいけないことくらいは知っていたはずだ。病院によると、院内での撮影は基本的に禁止されていた。それでも撮影は行われた。

3人はおそらく若く、日常をSNSで共有することが当たり前の環境で過ごしてきたのだろう。夜勤の時間や職場での日常を、仲間と共有したかったのかもしれない。しかし、社会人としての自覚が足りなかったことは確かだ。研修では、実際の流出事例と、当事者がその後どうなったのかまで伝え、しっかりと啓発してほしい。

とはいえ、規則を破る人は、どの組織にも一定数いる。そこで、組織が見直すべき点は、少なくとも3つある。

1つ目は、勤務中の私物スマホの扱いだ。持ち込みを認めるのか、認めるなら使ってよい場所や時間をどう定めるのか。たとえば、業務エリアへの持ち込みを禁止してロッカーに保管させる、休憩室でだけ使用を認める、といった方法がある。一度、自社のルールがどうなっているかを確認し、現場の実態に合っているかを見直してみてはどうだろうか。

2つ目は、新しいアプリへの感度だ。若い社員の間で何が使われているのかを管理する側が知らなければ、注意を促すこともできない。いま、どんなアプリが流行していて、どんなリスクがあるのか。社員と情報を共有するのもいいし、管理職が実際に自分のスマホにインストールして試してみるのもいいだろう。

3つ目は、流出が起きたときの備えだ。今回、問題の動画に気づいたのは、同じグループの別の病院の職員だった。不適切な投稿を見つけた社員が、どこに知らせるべきかも確認しておきたい。報告を受けた後も、事実確認、被害者への謝罪、削除依頼、関係機関への報告、公表と、やるべきことは多い。誰が何を担うのか、平時のうちに決めておきたい。

「仲間内だから」「重要なものは映らないから」と撮影してしまう社員を、ゼロにすることはできない。啓発で1人でも減らし、それでも起きたときには被害を最小限に抑える。その両方の備えが、いまの企業には求められている。

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