一方、Z500はワイドハンドルを生かして左右へヒラヒラと切り返しながら、自分から積極的にマシンを動かしていくのが楽しい。サーキットで攻め込む楽しさならNinja500。ライダー自身がマシンを振りまわす面白さならZ500。兄弟車ではあるが、どちらを選ぶかは意外と迷わないかもしれない。それくらいキャラクターは明確だ。
サーキットだけじゃない。むしろ公道で効く“500の余裕”
今回は残念ながらサーキット試乗のみだったが、この500シリーズの本領は、むしろ普段の道にあるのではないかとも思っている。たとえば街乗りが中心でも、プラス52ccの余裕を感じながら悠々と走りたい人はいるはずだ。それに451ccだから、れっきとした“大型バイク”でもある。ちょっとした優越感も味わえる。何を隠そう、自分もそういうのは嫌いじゃない(笑)。
車格や重量感は400クラスとほとんど変わらないため、駐車場での取りまわしや街中での俊敏さはそのまま。それでいて太くなったミッドレンジのトルクによって、信号からの発進や流れに乗るまでの加速にメリハリが出る。渋滞路などの極低速でも余裕があるはずだ。
とくにZ500は街乗り向きに思えた。平日は都会のコンクリートジャングルを軽快に駆け抜け、休日の早朝には空いた首都高をちょっと爽快に流してみる。そんな使い方にもピッタリだろう。
Ninja500なら、そこからもう少し足を延ばして週末の日帰りツーリングへ。フルカウルによる防風性に加えてハンドル位置も比較的高いため、高速道路でも無理がない。高回転域で上乗せされた5PSの余裕も、長距離になればなるほど効いてくるはずだ。シートも低めで足着きの不安が少なく、旅先での取りまわしにも気を遣わない。そしてワインディングへ入れば、今度はNinjaらしい豪快かつ安定感のあるコーナリングを楽しめる。
伝統の400シリーズで培った完成度の高いパッケージを崩すことなく、スポーツライディングの質を一段引き上げた新型500シリーズ。その進化は派手ではない。でも走れば、その違いは確かな手応えとなって右手に返ってくる。軽い。扱いやすい。でも、必要なときにはちゃんと速い。最新ビッグバイクのパワーと重量にちょっと疲れてきた大人たちにも、この“ちょうどいい500”はなかなか魅力的な選択肢だと思う。


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